講評
天候に恵まれて、青空に浮かぶ雲の形が面白いですね。茶畑、富士山に当たる光に斜光を選ばれたことによって適度に影ができ、自然な立体感を出すことに成功しました。富士山までの距離感を表現するに当たり、画面左上に一本の立木を入れたことは、とても効果的です。再度、この場所で撮影する機会がありましたら、カメラアングルを大きく変えることがないようにしながら、広角レンズで茶葉の一枚一枚が分かる程度に茶に接近したカットを撮ってはいかがでしょうか。(風景写真では、この広角レンズでの接写撮影がおもしろいのです)。
講評
富士山頂から雪解けの水が黒い岩肌を流れ下ってくる様子を見事にスローシャッターでとらえました。動く被写体の表現は、カメラのシャッター速度が決め手になりますので、スピードをいろいろと変えて撮っておくことが必要です。本コンテストは横位置写真を対象としていますが、このシーンで別の作品を制作するのなら、山頂からの雪解け水が下ってくる様を強調するために縦位置で狙ってもよいでしょう。
講評
菜の花と富士山の組み合わせで、春らしい風景に仕上がっています。明るくきれいに見えていても、影の部分がないために立体感の表現が難しくなるのが順光(ベタ光)での撮影です。角度や時間帯の工夫で、プラスアルファがあれば、作品に一段の味わいが出るでしょう。菜の花の咲きっぷりは見事なので、機会があったら来春に再度チャレンジしてみてください。
講評
海を隔てた富士山に、前景の桜花と寺とおぼしき屋根を組み合わせた花風景です。桜花が主役で、富士は背後の点景に過ぎませんが、この場面ではこれでよいと思います。もし、変化を付けるとしたら、時間の経過とともに光の当たり方が斜光気味になるのを待ってみる方法があります。
講評
斜光に輝く紅葉と富士山のアップショットです。背景の富士山に対する紅葉の形が絶妙で、望遠レンズでの紅葉の切り取り風景として見事です。左右で紅葉の輝き方に変化を付けたのも良かったですね。今秋に再度、このシーンを撮影するチャンスが巡ってくるのなら、富士山と紅葉の量に変化をつけた(5:5にならないように)カットを撮っておきましょう。右側の紅葉の背景に、田貫湖の白く輝く湖面をいれたことも良かったです。
講評
雪を抱いた富士山と手前の桜花の組み合わせが見事です。逆光に近い光で撮られたことも、とても良かったです。あえて指摘するなら、富士山頂と手前の桜により画面が二分された印象があります。(二分がよくない訳ではないのですが、平凡な印象になりやすいのです。これだけ見事な桜なので、手前の桜の量が6割程度にしてもよいでしょう)。場面によっては横位置に加え、縦位置画面を試みてみましょう。
講評
富士山と見事な紅梅の組み合わせです。トップライトで照らされていることもあって、山頂の積雪が風に舞う様は、露出オーバー気味でしょうか。ただ、マイナスの補正が過ぎると、この場面の主役である紅梅の輝きが失われてしまうので、程よくまとめられたと思います。山頂の雪を生かすためには、競合する白色系の要素がほかにない方が好ましいです。その点で、画面中央下にある白い道は外した方がよかったと思います。
講評
風景撮影の中でも、滝の水の流れとか波のような動く被写体の表現にはシャッタースピードの選び方が決め手になります。スローシャッターでぶらして見せるのか、速いシャッタースピードで止めて見せるのか。いずれにしても、実際に撮影した結果で判断することになるでしょう。速いシャッタースピードの撮影では、ISO感度の設定やレンズの絞り値の選択などが絡んできます。スローシャッターでは、絞り値の設定等に合わせ、PLフィルターなども使っていくことになるでしょう。この「山河」の場面では、好みもありますが、水の流れの瞬間的な表情を止めて見せて迫力を伝えることもできたでしょう。
講評
富士を背景にススキとセイタカアワダチソウが咲く風景です。ススキの穂先のような風を感じやすい被写体の場合は、止めて見せるのか、ぶらして見せるかによっても画面から受ける印象は違ってきます。また、ススキの穂先の白とセイタカアワダチソウの黄色のどちらに重点を置くかによっても、画面構成の内容が違ってきます(この場合はススキでしょう)。画面右上のように、ススキの穂を入れる切るかは難しいところです。カメラのファインダーを見て、何を入れて何を入れないを決めるフレーミングという作業は大事です。これを意識して行うことで、撮影者の意図を伝えやすくなります。
講評
桜と富士山のアップを組み合わせ、迫力のあるシーンに仕上げました。見事です。もう少し時間の経過を待てば、桜全体に当たる光の量が増したと推察します。画面右側にある桜の枝にも光が回ってくると、陰影のバランスが一層向上したことでしょう。
講評
夕日に照らされて岩場に砕ける波の姿をこれだけ早いシャッター速度で表現できるのは、デジタルカメラならではかもしれません。夕景としての撮影の中で、岩に砕ける波を止めるためのISOの設定や、赤みの表現のためのホワイトバランス設定などいろいろと試行されたことでしょう。苦労が詰まった作品だと思います。
主催/静岡中央銀行 協力/静岡新聞社・静岡放送